戦争を考える

NHKの「課外授業 ようこそ先輩」(http://www.nhk.or.jp/kagaijugyou/)という番組は、はじまったばかりの頃から気に入っていて、たまに見る。各界で活躍している人が、自分の出身小学校に行って今の生徒たちに授業をする、というものだ。

今日は、特別アンコールで、4年前に行われた授業の再放送と、4年後、高校生になった生徒たちを集めてもう一度授業をするという構成だった。先生は、国境なき医師団http://www.japan.msf.org/)の貫戸朋子(http://www.yononaka.net/3040s/vol1/kanto.html)さん。今、貫戸さんを検索してはじめて知ったのだが、この4年前の番組はなんとエミー賞をとったのだという。

京都の小学校で関西弁での子どもたちの本音の議論も、すごいと思ったが、付属小学校ということで、わりと偏差値的に高い生徒が多いんだとも思われ、高校2年になった彼ら/彼女らがまたすごいと思った。ボスニアで両親を失った同年代とインターネット経由で英語でメール交換するわけだ。ほいほい英語書いてるんで、結構優秀なんだろうな。Eメールの普及といい、私らの時代には考えられない素晴らしい授業が可能になるインフラがあることに、ホントに隔世の感をおぼえた。こういう教育って今やどこでもできるのにほとんどやってないなんて、なんてもったいないんだろう、とも思う。

朝まで生テレビ!」(http://www.tv-asahi.co.jp/asanama/)をほぼ毎回見ていた自分の高校時代を思い出しつつ、高2になった生徒の1回目の授業を聞いた。そこでは、国連決議がどうのとか、ありがちな議論をしていて、貫戸さんは、機械としゃべてるみたい、魂がない、と言って、気まずい雰囲気で授業が終わる。その後、彼女は以前医師団で行っていたボスニアで8年ぶりに生存者と再会し、自分の無力感に涙を流し、京都の高校生とメール交換してくれるよう頼む。帰ってきてからの2回目の授業。これもありがちなディベートゲームではあるんだけれども、あきらかに朝生で喜んだり、全国高校ユネスコ大会の合宿で議論したりしていた私の高校時代とは異なる、自分の言葉で魂を込めて考える、というプロセスがそこに見てとれる。ちょっと感動した。