完全歩合制の仕事

サラリーマンってのは、拘束時間で一定の給料もらえるありがたいワークスタイルであって、だからサラリーマン病の人がサラリーマンでなくなると、深刻な病状を呈したりするわけで、そのケアなぞをするのが本業の一つでもあったりするが、まあサラリーマンやってる間からでもいいが、わずかながらでも別の収入手段をもっていた方がいい。もちろん皿洗いでも新聞配達でもいいわけだが、やった分だけ、あるいは成果が出た分だけ収入を得る、というのが、当たり前だが金を稼ぐということの一つの基本形態を体で習得するのにとても効果的だと思う。私も明日はその手の仕事が入っているから、少し気もまぎれるし、ちょっとした金銭的余裕にもつながっていて助かっている。
そんなことをふと思ったのは、セールスレップについて今ちょっと強い興味を持っているからである。セールスレップとはSales representativeのことで、アメリカとかでは昔からよくあるワークスタイルだと言う。これを日本のSOHOインキュベーションオフィスで本格展開しようという動きがあちこちで今見られるのである。
これは簡単に言えば、独立した個人事業主として、商財を持ついくつかの会社(個人事業主)と契約し、営業をする働き方であり、売れたらその分の何割かを手数料として受け取る、売れなければゼロという、まあ古典的な働き方である。なぜそんなのが注目を集めるのか。それにはちょっとした理由がある。ますますSOHOとして独立しようとする人は増えるが、一人(あるいは少人数)では営業まで手が回らないという事業者がかなり多い。あるいはもともとそれが下手で独立したというような人も少なくない。一方、現下の社会において、中高年を中心にサラリーマンでい続けることが困難になり、働きたいが仕事が見つからないという人が急増しており、それに対する職業訓練(能力開発)的なものは、もはや失業保険の給付を受けるためのアリバイ的なものでしかなく、ほぼ就職に結びつかないという現実がある。そんな中、失業をしている人は、昼間家にいることもできず、1日あちこちを歩き回って時間をつぶして家に帰るなんてことをしていたりする。それならば、セールスレップになればいい。まず、ちゃんとした名刺ができ、オフィスもできる。居場所ができる。そして、売ることができれば収入にもつながる。
具体的なイメージはこうだ。SOHO集積オフィスがある。そこに入居していてもしていなくてもいいのだが、営業代行(セールスレップ)をお願いしたい事業者が会費を出す。その会費を集めて、SOHO集積オフィスのブースをいくつか借りる。そこをセールスレップの拠点とする。そこに営業ツールなどを置いたり、パソコンを置いたりし、あるいは共用スペースで商談をしてもいい。セールスレップは、契約した会社の正式な営業部員としても名刺を持ち、あたかもそこの会社員であるかのように外回りの営業もする。そうすることで、営業が弱いSOHOにとっても仕事がない失業者にとってもWin-Winの関係ができ、しかもセールスレップはいろいろな会社の商財を売る経験によって、何が売れるか、どうすれば売れるかという今の市場の現状をよく知ることができ、自身が独立する際に何を扱えば儲かるのかというリサーチを兼ねることとなり、よき起業準備の期間ともなるのである。この仕組みをうまくスタートアップさせるためにいくつか取り組みが行われている事例を全国から集めて、ちょっと勉強してみたいと思っている。